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Keiki YAMADA       →Biography

 

しっかりとした基礎から見えてくるもの

 

油絵が生まれた頃(ルネサンスの頃)の技法を基礎として制作しています。

オールドマスター・先人たちの絵画から見て取る油絵具、溶き油、素材、描かれた背景などを理解しながら制作しています。古美術品やマスターピースの持つ凄みに近づけるように、日々描いています。​絵画でありながら、物としての良さ、手に持ったときの満足感をいつも気にしています。プラスティックでグラフィカルな絵ではなく、昔ながらのぬくもりを持った作品を作りたいのです。藝術は、自由な表現が求められますが、それは積み重ねられた土台の上に成るものと認識しています。現代においても名高い画家たちには、必ず裏付けされた技法によって支えられています。

油絵を理解するための道としてどうしても通る必要があったのはテンペラの技法です。油絵はルネサンスの時代にテンペラの技法から発展しました。先人を研究する度に、なぜそうであったかという後人の答え方が納得行くことが多くあります。そこで、大きな疑問として上がるのが「日本人」にできるものなのか。ということです。疑問と不安は知るほどに大きくなりましたが、近年やっと「西洋の味を日本人が作る」のではなく、「日本人が描く西洋画(油画)」を目指すようになりました。

始めたのは静物画からのアプローチです。対象を、人が手にとった時の記憶─実際にに使用したことから来る記憶を呼び起させるように描いています。そこから見えてくる風景は、描かれているものだけではなく、ひとの想像力とともに広がりをもって感じられます。私の絵画に空間が大きく取られ、何も描かれていないのは、そこは観覧者とともに想像─創造していくところだと思っています。単に描かれたものだけではなく、そこには多くのものが込められています。「観る」よりも「読む」事ができる絵画を描いています。読んでほしいのは、我々が生きてきた時代そのものであり、共有してきた時間です。どんな時代の画家たちも、結局の所「生きている」同時代の経験を描いているわけで、真摯に「今何が起こっているのか」を見つめ・受け入れて作ってきたようですから。

​山田啓貴

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